悲劇のヒロイン気取って生きてる奴らへ
突然ですが、
”悲劇のヒロイン気取りやがって”
って言われたことありますか。
そもそも悲劇のヒロインとは…
悲劇のヒロイン
物語の作中で苦難に見舞われる主役級の女性、または有名な歴史上の人物で不幸に見舞われた女性を意味する語。実際はヒロイン・歴史上の人物に対してよりも、不幸であることを殊更強調する普通の女性に「悲劇のヒロイン気取り」などと皮肉を込めて使われることが多い。
とまあ、不幸に酔ってる可哀想な女を揶揄する時に使われる言葉です。
ネット上にはたくさん、悲劇のヒロインに関する文章があります。
悲劇のヒロイン症候群特徴8つ、悲劇のヒロインぶるんじゃねえ!と思った瞬間5選、
悲劇のヒロインと付き合ってはいけない理由まるまる……他にもたくさん。
単刀直入にいうと、私も悲劇のヒロイン症候群でした。
自分の昔話をさせていただきますと、小学中学はずっといじめられ続け、
服にマジックで落書きされるわ、殴られるわ、顔に殺虫剤をかけられるわ、
髪をハサミでジョキジョキ切られるわ、他にもたくさん。
それでもって家に帰ると病気の母の発作が起こっていて、
大声で怒鳴りながら壁を蹴り続ける。
父は疲れ切った顔で仕事へふらふらと出て行く。
相談する人もいなくて、いつも1人。そんな毎日でした。
それでも、高校へ上がると、1人の子が私に話しかけてくれました。
髪の長い、成績の優秀な子でした。
その子は私の暮らしを知ると困った顔で、何も言わずぎゅっと
抱きしめてくれたのです。
長くて綺麗な髪から香る花の匂い。
柔らかく撫でてくれる白くて細い指。
そんなの初めてで、本当に、嬉しくて、あったかくて、苦しくて、
もっと抱きしめてほしい。
もっと一緒にいてほしい。
もっと優しくしてほしい。
もっと可哀想だと思ってほしい。
そう思ってしまったのです。
それだけのために、私は自身の辛かったことをあることないこと、すべて
その子に押し付けました。
初めのうちはその子も優しくしてくれた。
しかし相手だって人間。そのうちに疲れ切ってしまいました。
その時に言われた言葉が冒頭の、悲劇の…です。
今思うと本当に身勝手でした。
私がいくら辛かろうが、それをその子が背負う必要なんて微塵もないし、
話を聞いてくれただけで感謝をするべきだったのです。
それなのに私は
あんたに何がわかるんだ!あんたなんか大嫌いだ!
と激昂し、さらなる不幸話を押し付けたのです。
愚かにも、そうすればまた、抱きしめてもらえると思っていたから。
大嫌いなんて本当は嘘だった。大好きだった。
その子が笑う顔が見れるとホッとしたし、
隣にいるだけで、いつもカチカチだった体がゆるっとしたし、
手を握ってもらえるだけで嬉しくて、涙が止まらなかった。
なのに私はあんなことをのたまい、結局その子と距離が遠くなってしまった。
本当に馬鹿なことを言ったものだと思います。
今では私はこう思います。
悲劇のヒロインに浸っていないといられないくらい辛い時期はあるし、
そうしないと相手が離れて言ってしまうような不安感に苛まれるのも分かります。
悲劇のヒロインのような振る舞いだって、その人が辛い人生を懸命に生き抜いてきて、
そこで得た、生存戦略。立派な武器の一つだと私は呼びたい。
それでも、その武器を他人に押し付けすぎると、あなたの大切な人が
疲れてしまうかもしれない。
そんなのは絶対に勿体無い。
人間は星の数、もしくはそれ以上にいっっぱいいるけど、
あなたが好きになれる人間は、ほんの一握りかもしれません。
せっかく見つけた大好きな人と仲良しでいられないなんてそれこそ悲劇。
あなたの世界で一番辛いのは確かにあなた。それでいいんです。
でも、大切な人のことも考えられると、きっといいんだと思います。
不幸で不幸でしょうがないなら、このブログのコメント欄にでも書いてください。
このブログはチラシの裏なんでもう好き勝手落書きしてください。
だからどうか、大切な人が離れて行くことだけはしないでください。
いつか、全ての悲劇のヒロインが報われる時がきますように。